曇り空の朝には。

総合音楽家の日記です。

音楽制作用の無料プラグインを使わない!と決意した時に考えたこと。

 無料VSTプラグインというものが、この広大なネットには無数にあって、それらを使うだけで(せめてDAWくらい有料なのを持っているべきですが・・・)コンピュータ上での音楽制作が可能な世の中になっています。

 

 まず自分が本格的に、コンピュータによる音楽制作を勉強しようと思い立った頃、ゼロ年代後半でしたが、その頃もすでに無数のプラグインがありました。当時、既にDAWだけは持っており、そこにVST音源はバンドルされていたので、あくまで外部音源としてはなんとなく理解していました。エフェクターとしてのプラグインはよくわからず、デモ版も含め、無料プラグインをいろいろ試していたことを思い出します。

 

 でしたが、いろいろ試した段階で『無料プラグインを使うことは基本止めよう』という考えに至りました。現在でも無料プラグインを否定する気はありませんし、無料であっても良いものがあるであろうことは分かっています。

 

 とは言え、タダである無料プラグインを使わないという意思決定は目先の利益以上の価値があったし、そういう決断をしてよかったなと今にして思います。本記事はなぜ『今後、無料プラグインは使わない』と考えるに至ったのかについての当時の思索を思い返つつ、改めてまとめたものです。

 

 

全てのものには学習コストがある

  音楽に限らず、あらゆるものには学習コストが存在します。金銭、時間、労力が必要です。しかし、現在ではネットのおかげで、多くの学習コストはかなり下がっており、無料プラグインもそうしたネットの恩恵あっての存在だと思います。しかし、無料であってもすぐに使いこなせるわけではない、ということに注意が必要です。

 

 金を払おうが払うまいが、それプラス学習コストも払ってるということです。 

 

使いこなすまでに一年掛かる

  特に初心者の頃は、プラグインのコンセプト、使い方を習得するのに一年リアルに掛かりますし、ほぼ自由に使いこなせるようになるには数年掛かります。これは無料プラグインであっても同じです。経験値が溜まれば、その学習期間は短くなりますが。

 

無料品にコストを掛けるリスク

 気をつけないといけないのは、無料であるということには相応のリスクがあるということです。動作確認が不十分であったり、サポートがないがしろにされていたりする場合があります。バグのないソフトは存在しないし、バグが起こる確率は手間を掛けられない無料のものであれば大きくなるはずです。

 

 そうしたものに対して学習コストを支払うということは、もしかしたら無駄になってしまうかもしれません。経験として残るものもあるでしょうが、やはり将来性に不安を感じながら、そのソフトを使っていくのは精神的にも負担です。(OS対応問題もありますし)

 

 やはり、そのソフトあるいはその後継ソフトを含め、使い続けていくことで得られるものは大きいのだと思います。使い続けるだけの価値があるかどうか、ということが重要です。

 

自分に合ったものを使うべき論

 結局のところ、どんなものを使うべきかは人によるし、自分に合うものを使うべきです。つまり、自分で試してみるほかありません。当然、経験値が低い段階では自分の中にカッコたる基準がないわけで、どう判断すればいいかも、よく分からない状況です。 

 

 加えて、自分に一番合うのはどれか?比較する必要も出てきます。比較対象が多ければ多いほど大変になります。

 

 このように試行錯誤コストというものも出てくるわけです。あーめんどくさ。

 

無限にあるものには無限のコストが掛かる

  現在、無料のプラグインは無限といっていいほど多くあります。で、無料であるならば、ただインストールしていないだけで、それらの無数のプラグインをあなたは所有していることになります。少しおおげさな言い方ですが実質的にはそうです。

 

 つまり、無料プラグインを使わない!と宣言しない限り、そうしたプラグインを試し、比較し、そして使いこなせるように学習をするということを無限にしなくてはいけないのではないか?という少し極端ですが、恐ろしい状況が思い浮かびました。(これは自分の被害妄想かもしれません。)

 

つまり、乱暴に言うと・・・

無数のプラグイン × 一年 × 使い方覚えコスト = ???

という莫大なコストが掛かるのでは?とも考えられるわけです。

 

選択肢が多いと人は疲れる

  つまり、有料プラグインを使うということは、金を支払って選択肢を狭めるということでもあると思います。繰り返しますが、無料のものでも良いものはあると思います。しかし、人は選択肢が多すぎると疲れ、最悪思考停止に陥ります。

 

 考えなければいけないことを減らす、というのは大事なことです。しかし、有料だけに絞るとはいえ、それでもいろいろなプラグインが多数あるので、やはり『どれを使うべきか?』という問題は付きまといます。

 

 とは言え、この決断をすることで少しでも負担は減らせたと自分は信じています。金を払う以上、やはり真剣に考えますしね。

 

 ・・・と言う感じで自分なりの考えをまとめてみましたが、最初のうちは無料プラグインでいろいろ遊ぶのも楽しいし、それなりに勉強になるのも確かです。

 

プラグインじゃなく音楽と向き合う

 ちゃんとコレが出来るようになるまで何年掛かったんだよ・・・って考えると少し嫌な気持ちになりますが、大事なことです。

 

 プラグイン各種は音楽をよりイイ感じにするための道具に過ぎないのであって、音楽それ自体が目的であることは忘れてはいけない、ということです。これは自戒も多く含みます。これまで書いてきたことは、基本的にはそれを手助けするための考え方です。

 

 でも、より楽曲とサウンドの結びつきが重視される時代になっているので、より良いプラグインを追求するということに終わりはないのだろうとは思います。現に新世代のいいプラグインが続々出てきていますからね。あと今回書いたことはプラグインに限らず、すべての機材に当てはまることかなと。大事なんだけども・・・ということです。

 

 ともかく、音楽そのものを楽しもう!ということです。そのためにはかっこつけずに所謂『定番』を使うというのも賢い選択なのかもしれません。